転職がしやすい業界なのにトラック運転手が人材不足。キツイ・汚い・危険なイメージで年収も人気も下がり気味?

NHKの人気番組クローズアップ現代で放送された、トラック業界の物流危機の内容通り、年々、トラック運転手になりたい人材は減少している。

⇒NHK クローズアップ現代 流通の危機

1997年には89万人ものトラック運転手が存在したが、現在は80万人と、約10万人程減少してしまっている。(国土交通省調査)

10%近くもトラック運転手の成り手が減っているというのは、何が原因なのでしょうか?

職業の選択肢が幅広くなってきたことや、少子化、あるいはキツイ・汚い・怖い・危険などのイメージ、さらに、徐々に下がってきているトラック運転手の給与の低下も、大きな原因として挙げられます。

一昔前(バブル時代)は、キツイ仕事だが稼げる肉体労働と言えば、佐川急便を代表とするトラック運転手でしたが、ネットの誕生以来、物の行き来が多様化し、物流の重要性が増したにも関わらず、トラック運転手の年収が下がり続けている原因は一体何なのでしょうか。

トラック運転手の平均年収は、月給で42万6800円(1997年代)、年収で約480万円程であり、現在では5~6万ほど下がって月給で約36万円、年収で約400万円ぐらいが平均的な給与水準になっています。

平均年収より100万円以上も低い、年収300万円弱の低所得層のトラックドライバーも約15%前後もいて、仕事は厳しいが短期で大きく稼げる、という職業ではなくなってしまっています。

現代のトラック運転手の仕事のイメージは、キツイ・汚い・怖い・危険+稼げないという、なんともネガティブな印象となっています。

事実、トラック運転手の中でも長距離専門のドライバーは事故リスクを常に背負っています。そして、若手のドライバー不足もあって長時間拘束労働が強いられており、労働内容や時間に比例しない給与体系になっています。

トラックドライバーは1人でできる仕事なので、一昔前は組織(サラリーマン)に合わなかった人材の受け皿としての機能も担っていた部分はありますが、今はネットインフラの普及により、個人でもインターネットを使って稼げるような時代になったため、WEB界隈に流れる人が多くなりました。

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スピーディな即日発送の恩恵と呪縛

昔に比べて、トラック運転手の給与水準が著しく低下してしまったのはなぜなのか?

その原因の一つに、1989年以降のバブル崩壊後、運送の料金を下げ過ぎてしまった事があります。一度下げてしまったものは、そう簡単に戻るものではありません。

また、物流業界全体が楽天やアマゾンを筆頭とした大手ネット通販企業の即日配達という縛りに捕らわれてしまっている所もあります。

一般消費者からすると、即日配達というシステムは大変便利であり恩恵を受けていますが、そうなるとトラック運転手の人手と労働拘束時間は一気に増加してしまいます。

一般的な製造業などで言う納期が発送日となるので、正当な理由がない限り納期に間に合わないという事は許されません。

私達が多大な恩恵を受けている即日発送のサービスが、トラックドライバーに過度の重責を負わせ、労働条件・環境を劣悪なものをにさせて、それが今のトラック運転手の不人気さと人材不足に関連しているのです。

また、昔から運送業界というのは体育会系のブラック企業が非常に多く、そこで働く人たちの粗暴な言動が印象を悪くさせている部分もあります。

そういった理由もあり、ブラック企業業界の定番ジャンルとも言っていい、介護・外食と同様に、運送業界にも、積極的に人材が集まってこないのです。

転職してトラック運転手になるなら、会社をしっかり調査(リサーチ)してからにしよう

様々な理由により、慢性的に人材不足に陥っているトラック業界に転職するのは難しい事ではありません。

最低限必要な中型免許取得を支援してくれる会社もあり、40~50代でも若手と呼ばれる事もある物流界隈では、職務経歴にたとえ傷が付いていても採用される事は多々あります。

どこの運送会社も他業種に比べて労働時間は長く、年収も約400万円程ですが、組織の中で働くのが苦手で一人で仕事をしたい人や、そもそも車の運転が好きな人などは長く続けられる仕事だと思います。

しかし、常に危険な事故と隣合わせの職場となるので、各種保険や労務管理などをしっかりと行っている会社に絞って転職活動をする事をオススメします。

タクシーやバスの運転手もそうですが、ドライバー職において、長時間拘束の労働は事故を誘発する大きな原因になりますが、労務管理をしっかりと行っている健全な会社に転職ができれば、トラック運転手はある程度の年齢になっても続けられる仕事となります。

組織の中では自分の力を発揮する事ができなかった人が、トラック運転手としては、正確で事故も起こさない有能な人材として活躍する事もあります。

あまり人とのコミュニケーションがうまくない人

人に命令されるのが嫌いな人

周りに人がいない方が能力を発揮できる人

これらの特徴を持つ人にとっては、完全に一人で完結させる事ができる仕事なので、かなり相性の良い職種になると思います。馬鹿な同僚や、嫌みで攻撃的な上司もいませんしね。

色々な会社を転々としていて、退職の理由が全て「人間関係の悪化」であるような人は、各運送会社をちゃんとリサーチしてから、ドライバー職に転職するのも選択の一つかもしれません。

私の知り合いでも、言葉足らずでコミュニケーションが苦手だった人が、配送の仕事に転職して長く勤務できているという事例があります

自分に合った会社を見つけるために転職エージェントの活用もオススメ

トラック運転手になる、あるいはドライバー職への転職を希望しているなら、転職エージェントの活用も選択肢の一つです。自分の求める条件に合った会社を一緒に探し出してくれます。

転職エージェントは、転職や就職活動のアドバイスをしてくれる、無料で使える「求職者と会社とを結ぶマッチングサービス」です。

プロフェッショナルの転職アドバイザーが転職者の希望に沿った求人案件を探し出してくれるので、転職内定率はかなり高いものとなっています。

ハローワーク等は、自分の希望条件に当てはまる求人を、自分自身で探し出さなければなりませんが、転職エージェントを利用すれば、プロのエージェントが不健全な会社を除外してくれるので安心です。

自分が求める業種や、労働環境・条件などを転職エージェントに言っておけば、いつ出てくるか分らないハローワークでのホワイト求人案件を待つ必要がなくなります。

「転職エージェント」と聞くと、大企業の高収入層の転職や、外資系のヘッドハンティングなどのイメージかと思いますが、現在の転職エージェントは、働き方の多様化や一般企業からの人材獲得ニーズにより、多種多様な会社の転職や中途採用を積極的に手がけるようになっています。

その中でも オススメの転職エージェントを紹介しておきます。ご参考にどうぞ。[dfads params=’groups=4&limit=1′]

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