海外留学や語学に興味があるので、働いてから貯金をして、ワーキングホリデーや海外留学を1年間程したい、という人は結構、多いのではないでしょうか。
経験者はわかるでしょうが、ワーキングホリデーや語学留学はめちゃくちゃ楽しい。
社会人としての責任とプレッシャーから開放され、毎日の全てが冒険で、学生時代の自由だった感覚を再び呼び起こさせる、まさに『人生のサマーバケーション』です。
しかし、一年間の語学留学に必要な費用はというと、約100万円以上‥。
一念発起して、海外の大学などに通おうものなら、500万以上のお金が必要になってきます。
また、入学するには、TOEFLやIELTSのスコアも重要で、資産家の息子やご令嬢以外では、結構ハードルが上がってしまうのが現実です。
職務経歴的にもブランクが出来てしまうのがデメリットで、海外で経験を積むと言っても、1年ほどの語学留学やワーキングホリデーをするだけで、なんとなく無難な形で終わってしまう人がほとんどだと思います。
ここで知っておいてほしいのは、その目的意識の薄い、あまり意味のない寄り道が、転職活動の時に足を引っ張る事になってしまうという事です。
お遊び留学と思われたら職歴の空白ができるだけ
転職マーケットで、語学留学やワーキングホリデーの経験があるならば、企業から結構、需要があるんじゃないの?
と勘違いされがちですが、それはTOEIC750点以上を取った人や、ビジネスで使える英語力を持っているという人に需要は偏っています。
理由は、「海外留学を経験して国際的で多様な価値観を学んだ」という自己アピールが効果的なのは新卒の時ぐらいで、社会人からの転職であれば、目に見える留学の結果がなければ、なんちゃって留学をしてきた『お遊び留学組』と区別がつかないからです。
また、英語が必要ない職種であれば、TOEICの点数750点の人材よりも経験者を欲しがります。
留学やワーキングホリデー帰りの求職者によく見られるのが「英語は好きだけど、ビジネス英語とかは使えないから(TOEIC600点以下・日常会話は可能レベル)一般企業に就職するか」というパターンです。
これが全然良くないんです。いくら語学留学で英語を勉強してきても、ワーキングホリデーで多国籍のフレンドができても、その会社の仕事に直接関係がない資格は、評価の対象外にされてしまいます。
つまり、「国際的な経験を海外で積んできました!」と必死にアピールしても、海外での留学経験は採用側から見れば、シンプルに「職歴の空白期間」に見えてしまうのです。
社会人の留学は具体的で目的意識のあるものにしよう!
海外留学やワーキングホリデーを経験するのなら、少なくとも、TOEIC700点以上や、IELTS5.5などの具体的な数字を、手土産に持って帰って来ましょう。
なんちゃってお遊び留学組と同じカテゴリーで見られてしまうと、フリーランスや専門職でない限り、転職は大変厳しくなってしまいます。
もし、1つの語学も身につけることなく、フラフラ遊んで帰国しただけなら、とても不利な所から転職活動をスタートさせなければなりません。
冷静になって考えても見て下さい。
転職マーケットの中心にいるライバルたちは、全くブランクの無い社会人達なんです。
海外留学・ワーキングホリデー、それ自体は悪くはありませんが、語学力を得たという「結果」がないと、「学習能力が低い人・無駄な留学」、と受け取られてしまいます。
将来、外資系の企業などで働きたいのであれば、TOEICの点数は、最低でも700点以上は取得していたい。
TOEICの点数が700点あれば、年収600万以上の仕事にもつける可能性がある。
留学経験者ならではのエピソードを披露して語学力以外で自己アピールを!
しかし、そんなにネガティブになる必要もありません。
海外での体験談というのは聞いていてもワクワクして面白いですし、採用側が、行動的で好奇心が強く、ポジティブな性格の人材を探している場合、ライバルの転職者を押しのけて採用される事もあります。
混沌としたインド、発展途中でエネルギーが満ち溢れている東南アジアなどを旅した経験があれば、「体力と精神のタフネスさと行動力」をアピールできます。
欧米ヨーロッパなどの先進国であっても、トラブル系の面白珍エピソードがあれば、会社の面接係にも、何らかのいい印象を与えることもあると思います。
あるいは、語学力が中途半端でも採用可能な、留学経験者の人材を募集している会社を探してみることです(語学力は日常会話レベルでOKなど)
例えば、最近増えている、外国人向けの国内シェアハウスや、宿泊施設の運営会社、留学エージェントなどです。
(気をつけたいのは、留学関係の会社はブラック待遇の場合があったりするので注意が必要)
後は、契約社員などで1年間働いて、留学ブランクをカバーしたりするやり方もあります。
海外留学から帰国して、すぐ正社員!というのは、専門スキルが無い人にとっては、なかなか難しく壁が高い。30歳手前などであればなおさらです。
一念発起して海外の大学に入学。語学力があれば引く手あまたの人材になれるかも
海外留学にいくのであれば、半端に半年~1年行くよりも、いっその事、3年間勉強するつもりで海外の大学に入学したりするのも手です。
(海外の大学はセメスター制といって、絶対に4年間通う必要はありません)
一度、現地で就職して働いたりすれば、その他大勢の、なんちゃってお遊び組の留学生との違いを作ることが出来ます。
転職マーケットは、希少価値があればあるほど興味を持たれます。
海外の大学でDiploma (ディプロマ) の資格などを取得すれば、転職の際の優位性も一気にアップします。
海外で就職して生きていくという選択肢も出て来るし、海外の大学生活でトレーニングされた語学能力は簡単にはなくなりません。
実際に、現地の大学卒業レベルの語学能力を持っていれば、引く手あまたの人材になれます。
他にも、語学を極めて国家試験である通訳案内士試験を受けて、通訳ガイドになるという進路もあります。
日本の古い体質の企業は海外経験をあまり評価しない
色々と、ネガティブなことをたくさん書きましたが、海外留学やワーキングホリデーは、実際、体験してみないとわからない刺激や面白さがあるし、人生で一度は経験してみる価値はあると思います。
実際、ヨーロッパのイギリス・フランスでは、大学卒業後に1年間のモラトリアムタイム(猶予期間)があり、たくさんの学生達が、旅行や海外留学をして経験を積んでいます。
日本社会も、海外留学やワーキングホリデーに対しての捉え方を、もっと広くするべきだと思います。
一度決めた場所にずっと居続ける、というのが良い事だという労働観は、なかなか拭い去れそうもありませんが‥。
国際化してきているとはいっても、根源的な部分では、鎖国・島国根性が顔を覗かせる日本。
ゆとりの若者達の意欲の低さを批難する前に、まずは、自分達が持つ古臭い価値観を見直して欲しいと思います。
もしも、社会人で海外留学やワーキングホリデーに挑戦したいのであれば、帰国してからのキャリアもきちんと考えてから行きましょう。
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