県外の取引先の会社を訪問したり、エンジニアとして派遣された先で業務を行ったりする、いわゆる「出張」というと、サラリーマンの象徴的な仕事になります。
出張先で、ご当地料理を堪能したり、出張手当をうまくやり繰りして楽しんだりと、サラリーマンにとってかなりオイシイ仕事のように見えます。
しかし、遠方に行きたくない・歩きたくない・人ごみが嫌い、などのインドアタイプや内向型の人間にとっては、営業ほど体も神経も疲れて面倒な事はありません。
OB・OG の人が言う「営業での出張は楽しいぞ。地方の名産品なんかも食べられるし、仕事が終わったら思いっきり羽を伸ばせるぞ。」この言葉はインドアタイプの人間は信じてはいけません。
もし、何かの間違いでインドアタイプの人間が営業担当になってしまうと、「なんで出張はこんなにも疲れて面倒なんだ…もう行きたくない」と疲弊してしまいます。それは、地方出張・海外出張どちらでも同じことです。
それでは、ここからはサラリーマンの「出張嫌い」を発生させてしまう、いくつかの理由を書いていきたいと思います。
拘束時間が長くて疲れる
出張の一番の問題というのは、何よりも拘束時間の長さでしょう。遠い地方まで一泊2日で出張などをしてしまうと、自宅に無事帰還出来るのは48時間も経ってからになってしまう。
当たり前ですが、インドアタイプの人間が、この世で一番安らぎを得られるのは、自分の家であり部屋でしょう。
部屋でダラダラしながら、ジャージ姿とボサボサ頭のまま、自分の好きなお菓子を食べながら映画やテレビを見たり、本を読んだりするのが至福の時。
外に出るのはコンビニに行く時ぐらいで、外出は疲れるから嫌い、という人間にとっては、2日間、48時間以上も家に帰ることが出来ないのは、多大なストレスを受けることになる。
営業の仕事が終わった後に、お酒を飲みにいったり、面白いものを探して観光などをすれば出張も楽しくなるんじゃないか、という意見もありますが、
●お酒が飲めておいしい食べ物に興味・関心が強いこと
●バイタリティーと行動力を持っている人間である事
などの条件に当てはまってないと、出張は厳しいものとなります。
仕事で心身共に疲れきっていて、宿泊する所は味気ないビジネスホテル。
家族や恋人とリラックスするために旅行に来ているならともかく、出張のビジネスモードで来ているのに、観光なんてしている心の余裕はない。
出張はハードなスケジュールを設定されているから、自由に動ける時間も少ないし、一番嫌なのは、仕事が終わってから無理やり飲みにつき合わされる事。
お酒が弱いとか、会社の人間と飲みたくない人であれば、この出張中の2日間、48時間は監獄で過ごすよりも地獄だろう。
慣れない事の連続で心身共に疲弊する
出張は体力的にも精神的にもかなり疲れる。朝早くに会社を出発して、夜遅くに帰ってくる。日帰りで何とか帰ってこれる中途半端な距離だったら最悪。
早朝から始発で出発し夜は11時に帰ってくる。移動は基本的に新幹線か飛行機を使うが、これはこれで疲れる。
周りの話し声が聞こえたり、揺れや光があっても問題なく眠ることができる人間であれば問題は無いが、枕が変わったら眠れない繊細なタイプなら移動時間は最悪だ。
また、乗り物酔いしやすいタイプや、長時間座っていたら腰が痛くなる腰痛持ちなども言わずもがな、最悪な時間を味わう事になるだろう。
出張帰りの翌日が休みの場合はいいが、これが週の始めの方だったりすると、その週は疲れを感じたまま仕事をする事になるだろう。
出張は普段使わない移動手段を利用したり、慣れない場所に行ったり、タイトなスケジュールだったりで疲労がかなり蓄積しやすい。
「出張が大好きだ!」と言っているのは、体育会系の体力自慢人間か、旅行好きで外交型の人間だけである。
インドアタイプや内向型の人間にとっての出張とは、友達ゼロの人間が参加する全員参加の修学旅行のようなものであるだろう。
死ぬほど嫌いな上司やそりの合わない先輩とずっと一緒
行きも帰りも1人の単独出張であるならまだいいでしょう。これが、全くそりの合わない先輩や、死ぬほど嫌いな上司との二人きりのペア出張であればいかがでしょうか?
普段の職場でもできるだけ関わることを避けているのに、出張中は恋人のようにずっとそばにいる。感情的で動物のような上司などであれば、仕事での失敗は許されないという重圧は頂点に達するだろう。
女性の社会進出により、女性の営業も増えてきているが、2人きりで行く出張のパートナーが、セクハラで有名なエロ上司だったり、単純に生理的に無理!という男性社員であった場合はどうだろうか。
仕事だから仕方がないと割り切って考えても、一日中不快な存在に絡まれ続けた場合、あなたは耐えられるだろうか?
出張手当が激安
長い拘束時間で縛るのだから、一回の出張で1万円以上は出してほしいが、出張手当は3000円~5000円程度なので激安だ。
そこで、多くのサラリーマンは裏技を使って、交通費の支払いの際には自分のクレジットカードを使ってポイントやマイルを増やしたりしている。
出張させて売り上げを大きくして儲けたい会社側と、どうにかしてオイシイ思いをしたいサラリーマンとの熾烈な戦いなのだ。
出張は楽しいぞ!と叫んでいるのは一部の人間だけである。学生の方はあまり真に受けないようにしましょう。
出張を避けるために出来る事
会社の営業マンである以上は残念ですが、出張を回避する事は難しいでしょう。となると、出張が発生しない事務系の仕事や専門職、または IT 系の職種に鞍替えするのが最善の選択でしょう。
もちろん、会社によってはそれらの部署でも出張がある可能性があるので、事前に情報収集をしっかりとやって、面倒な出張のない会社を選んで、自分の性格や特性に合った職場で働いていきましょう。
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