就職活動において、新卒の人はどうしてもブランドネームや企業の規模で会社を選択しがちです。
企業の商品やサービスを使う「ユーザー側」の視点しか持ち合わせていなかったり、決めつけや自己評価・自己分析が甘いと、いざ会社に入ったときに違和感を覚えることになります。
これがいわゆる「3年離職問題」と言われるもので、求職者と企業の評価のミスマッチ問題なのです。
この評価のミスマッチというのは、大企業でも起こりえます。大企業と一言でいっても、会社によってはパワハラや長時間労働が当たり前だったり、コミュニケーションに難がある IT 系（オタク）だったりと色々あります。
学生時代のスクールカーストを思い返してみてください。スポーツ系・不良系・オタク系などが明確に分れており、各カテゴリー独特の雰囲気や空気感というものがあったと思います。会社に入ってからも、そのようなカテゴリーカラーは存在しています。
私は、そんな所に、お互いの評価のミスマッチの答えがあると考えています。
根本に持っているカルチャーに相違があると摩擦が起こる
会社を短期離職してしまう大きな原因「ミスマッチ」とは一体何なのか？簡単に言うと、そもそも根本に持っている文化的カラーの違いによる摩擦現象のことです。
地味なオタク系の従業員で構成されている会社に、ホストのようなチャラい社員が入社してきても、「全く会話が通じない奴」「空気が読めない奴」とみられ、コミュニケーションに強い摩擦が発生します。
そうなると、文化的カラーが根本的に違う従業員は、自分の会社内でのポジションが見つけられず、非常に居心地の悪い環境に追い込まれてしまうため、結局、退職や転職を選択することになります。
長く働いていく上で最も大事なことは、「企業規模」よりも、自分に合った「企業文化」の方なのです。
体育会系の繋がりがあった場合、よくあるのが「部活の先輩が△△会社で勤務しているから推薦をもらいにいこう」というような OB 推薦というものがあります。
採用の公平性には欠けますが、会社の人間からすると同じ体育会系の人間は文化的カラーも近いので、評価のミスマッチによる摩擦現象も起こりにくいと考えるのです。
文化的カラーが同質なものであるというのは、根底にある暗黙知を言葉にしなくても分かり合っているという事になります。
日本の企業風土というのは、外資系企業とは違い、仕事内容の範疇が曖昧でハッキリと決められてなかったり、経験を積ませるためにアレもコレもと仕事を任され、業務の幅がとても広かったりするので、暗黙的なルールが多くあったりします。
外国人の部下を持つ日本人が「外国人の従業員は指示をしても聞かない」とボヤいているのは、外国人にとっての仕事とは、契約書で交わしたものだけであり、そのような暗黙知を日本人側が理解していないからです。
外国人の従業員からすると、求められる仕事の内容は、直接的にハッキリと伝えてもらわなければ分かりません。何となく空気を読んで分かってほしいとする日本の文化とは根本的に違うのです。
会社のカラーに染まれないから転職したい…は OK か？
「違った考え方や価値感が存在するから斬新なアイデアも出るし会社も大きくなるんだよ」
「仕事だし大人なんだから、自分に合わなくても我慢すべきなんじゃないの？」
といった意見も、もっともだと思います。
しかし、新卒入社の新社会人にとって、会社のカラーに合わすことができないのは強いストレスとなります。特に入社したての頃は、仕事の流れも範疇もやり方も手探り状態なので、とても不安が強いものです。
相談し合える同僚や、頼れる先輩の存在があってこそ、仕事を続けられる部分もあると思います。
しかし、同僚や先輩との相性が悪ければ、自然と距離を取ってしまいますし、職場内でのコミニケーションもうまくとる事ができず、仕事にも支障が出てくることでしょう。
会社と自分との相性がどうしても悪く、うまく適応する事ができないのであれば、転職するというのも一つの選択肢だと私は思います。新卒入社組の新社会人にとって、一人孤独になるというのはできれば避けたいもの。
ベテランの中年社員であれば「仕事なんだしお金を稼ぐためなんだから我慢、我慢」と考えるでしょうが、同じ考え・価値観を持ち、プライベートでも飲みに行けるような仲間たちと一緒に仕事をするのはやはり楽しいと思います。
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